「さん‥‥大丈夫でしょうか?」

  不安げに呟く千鶴に対し、沖田は飄々として、

  「大丈夫でしょ。」

  あっさりと言ってのける。

  大丈夫‥‥だとは千鶴も分かっている。

  は土方の事が好きだし、土方はのことが好き。
  だからお互いに素直になれば‥‥きっと元通りになるって分かっていた。
  でも、それでも不安だった。

  が‥‥相手の事を考えすぎて、その手を取れるかどうか、が。

  「‥‥なんだかんだ言って、あの二人似たもの同士だからね。」

  やれやれと言った風に沖田は肩を竦める。

  頑固で意地っ張りで、変に素直じゃないし。
  お互いにちょっと鈍感な所があるし。

  「変に気を遣いすぎるし。」

  「‥‥」

  「もっと好きなこと言えばいいんだよ。」

  お互いにもっと、自分をさらけ出せばいいのだ。

  弱さや、
  狡さを。

  自分の良いところも悪いところも出して、認め合えばいい。

  沖田は言って、にこりと笑った。

  「僕みたいに、ね。」

  沖田さんはちょっとだけ、遠慮してくれてもいいですよと千鶴は内心で呟いた。