「千鶴ちゃんって‥‥柔らかいね」
どこか恍惚とした表情でそんな事を、しかもそんな所に触れながら言われて、千鶴は羞恥故に憤死しそうになる。
もういっそこのまま気を失ってくれれば良いのに。
そうすればこの男の言葉にも行動にも、死にたくなるほど恥ずかしいなんて思わなくて済むのに。
「小さいけど、やっぱり柔らかい」
小さい、と言う言葉に千鶴は失礼なと怒鳴りたくなる。
勿論怒鳴るほどの余裕もないし、哀しいかなそれは事実でもあって反論が出来ない。
その小振りな胸を彼の大きな手で包まれていると思うとなんというか、ものすごく恥ずかしい。
小ささを実感するのもそうだが、彼の手の大きさを実感して、やはり彼は男の人だったのだなと思い知らされるから。
「千鶴ちゃん?」
「ふ、ゃぁっ!」
よそ事を考えていたのを見抜かれたのか、沖田の大きな手に包まれた乳房の先をきゅっと摘まれ、千鶴は微かに濡れた声
を漏らしてびくりと身体を震わせた。
「や、だ、めですっ」
「うん? 何がだめなの?」
「そ、こっ、抓っちゃだめ‥‥ひゃぁんっ」
駄目とはまるきり感じない甘ったるい声に、沖田はぞくりと背筋を震わせた。
この少女は先ほどまで少女だったはずなのに何故だろう‥‥触れていけば触れていくほど女の部分を男に見せつけてくる。
どこもかしこも未熟でてんで子供だというのに、やはり女というのは産まれながらに女なのだ。
男を魅了し、溺れさせる。
この千鶴という少女もそうだった。
ただ、常の純真な様から躊躇いながらも快楽に溺れていくその変わり様が男の劣情を酷く煽り、結果、沖田の中で余裕が
少しずつ奪われていくのは確か。
「千鶴ちゃんも、女の人だったんだね」
「な、にをっ‥‥んんぅっ」
下から、ささやかな膨らみを両手で掬い上げて上向いた乳首をきゅっと強く抓る。
びくんっと腕の中で華奢な身体は震え、一瞬息を詰めた千鶴は喉を晒してああ、とか細く啼いた。
膝の上に抱いてた身体は、いつの間にか自分よりも熱く‥‥その身を焦がしていた。
戯れに始まった行為だった。
酒の席で、戯れに、沖田が始めた行為だった。
戯れで女の着物を暴くなど言語道断ではあるが、そうは言っても沖田にとって千鶴という少女は憎からぬ相手である。
しかしこの沖田総司という男が素直ではない為に彼女へ想いを告げられず、今日も今日とて酒の席で自分の傍に怖がって
近付いてもらえず他の幹部にばかりお酌をする事に嫉妬して、こんな愚行へと及んだという事なのだ。
悪友である彼女が知れば拳骨の一つでもお見舞いされるだろう。
順序が逆だと。
普通は想いを通い合わせてからするものだと。
そんなものは分かっているし、そうすべきなのも分かっている。
だが、それよりも今は触れていたいのだから仕方ないじゃないか。
「ぁ、や、そこはっ」
袴の紐を解かれ、するりと滑った衣を追いかけて下肢に手を伸ばされる。
男に触れられるのは初めてだった。
胸も、そして、下肢も。
だが‥‥千鶴はいやだと口では言っても、本気で嫌がる素振りは見せなかった。
ただ長い指が蜜口をそろりと撫でたときは未知の恐怖に身体を強ばらせたが、
「大丈夫、ひどいことはしないよ」
と耳元で沖田に優しく囁かれれば、その強ばりも自然と解けた。
酷い事をされている‥‥という自覚はある。
沖田からは酒のにおいがして、酔いに任せて自分は無体な事をされているのだと。
けれど、自分に触れるその手が、時折怯えたように離れるのを見ると「やめてくれ」と無碍に言う事が出来なくて、気付
けば自分でも触れた事のない、身体の奥を男に好き勝手に蹂躙されている始末。
「ん、くっ、ぁ‥」
「痛い? ごめん、もうちょっと優しくするね」
くちくちと微かに濡れた音を立てながら指が中を探る。
そんな所まで触られなければいけないのか、というほど奥の方まで指が潜り込んできて、中をゆるゆると解し始めた。
沖田は言葉通り、優しく触れてくれた。
いつもの意地悪振りはどこへいったのかと言うほどに、優しく。
千鶴は彼には悪いけれど意外だと思っていた。
もっと荒々しいのかと思っていたから。彼の剣と同じで。
荒々しく、血腥いものだと思っていたから。
ちゅく、と次第に肉が慣れ始め、慣れれば次に来るのは快楽への恭順だ。
生娘とは言え千鶴は人よりもずっと感じやすい身体であり、彼女は性根の真っ直ぐな素直な子だ。
一度でも気持ちいいと感じれば身体は快楽に素直に従い、流されてくれる。
「あ、ふ、ぁっ」
肉が溶けてしまったかと思うほど柔らかくなった所で指を増やしてみると、千鶴は痛がらなかった。
そればかりか、指を引き抜いた瞬間に引き留めるように膣は引き締まり、二本揃えて中に穿てばぐじゅりと激しく濡れた
音を弾けさせた。
「きもちいい?」
じゅぷじゅぷと些か乱暴に掻き回しても、千鶴は痛いとは思わなかった。
気持ちが良いかどうかと聞かれれば千鶴には分からず、ただ彼に中を掻き乱されると自分がどうにかなってしまいそうで
それが恐ろしくて彼の背にしがみついて堪えた。
「あっ、あっ、そ、そこっ」
「うん? ここ? やだ?」
「やっ、ふぁあっ‥あぁっ」
酷く痺れる場所を沖田の指が触れている。
そこをぐりぐりと弄られると身体の奥から何かが溢れてきそうで、千鶴はいやいやと頭を振った。
「だ、めっ、そこっ‥そこ、擦ったらっ‥‥」
いやだと言うのに、いやだと訴えるほど沖田の責めは強くなり、気付くと瞑った瞼の裏がちかちかと明滅を繰り返していた。
何かが出てくる。
身体の奥から何かが出てきて、どうにかなってしまう。
千鶴はぎりりと沖田の背に爪を立てた。
「だ、めっ」
甲高い声が最後に尾を引く。
ばちんっと前触れもなく何かが弾けた、と思うと千鶴は目の前が一瞬にして白くなったのを感じた。
自分に一体何が起きたのか。
千鶴は理解する事が出来なかった。
一瞬世界が遮断し、気付くと自分はごろりと寝転がって天井を見上げていて、
酷く心許ないなと思えば視界に沖田が映り込んで、柔らかく微笑みかけられた。
それがいつもとは違う余裕のないもので、きゅうっと千鶴は胸の奥が引き絞られる感覚がして、思わずと言う風に拳を握
りしめるとその手を取られて口付けをされる。
「千鶴ちゃん」
沖田は口付けながら、小さく名を呼んだ。
掠れた声は酷く色っぽく、男でもそんなに色っぽくなるのかと千鶴は驚いた。
「今から、君を、僕のものにするよ」
いいね?
と問う声には否を言わせぬ強さがある。
けれど、そこには恐れたような色もある。
随分矛盾した瞳だ。
強い癖に弱い。
そういえば、沖田総司という男はそんな人だったような気がする。
怖いのに優しい。
恐ろしいのに、甘い。
だから‥‥千鶴は沖田という人を本当に怖いとは思わない。
恐ろしいとは思わない。
ただ、
相反するものを抱える彼は‥‥どこか脆い所があるとは思った。
強いくせに、儚く折れてしまいそうだと。
それ故に放っておけないと‥‥思うのだろうか。
甘やかしてあげたいと思うのだろうか。
それは、
狡いなぁ‥‥と少し思う。
「っ」
膣に熱く固い物が触れたかと思うと、それがずるりと入り込んでくる。
その大きさに痛いと千鶴は思い、身体を強ばらせた。
そうすれば途端内部は狭くなり、沖田のものを拒むように内部から肉がせり出してくる。
それはさながら自分を拒まれたようで気に入らない。
沖田はちっと舌打ちをし、細い腿を掴むと今度は些か強引に腰を押し入れた。
「ひぁっ!」
途端、ぶちりと嫌な感触がして、次の瞬間にはふわりと血のにおいが漂った。
妬けるような痛みに一瞬千鶴は目を見開くが、鬼の血がすぐさま傷口を塞いでしまい、その痛みは一瞬のものとして消え
失せる。
消えても圧迫される苦しみは変わらない。
内部へと押し入ってくる大きなものに、千鶴は串刺しにされるような錯覚を覚え、逃れるように背を上へと這い上がるけ
れどそれもすぐに沖田に捕まえられて叶わない。
そうこうしている間に沖田の陰茎は千鶴の膣を満たしていき、
「これで、全部」
最後はぐんっと押し上げるようにして沖田は全てを収め、呟いた。
破瓜の痛みは一瞬だったとは言え、彼女の初めてを自分が奪ったというのが嬉しいのか、沖田はにこにこと苦しそうだが
嬉しそうだ。
それがひどく癪だけど、子供のように無邪気に笑われては怒るに怒れない。
ただ涙目で睨み付けるのが精一杯で、それも、目元に浮かんだ涙を唇で掬われては鋭さも消えていく。
「ず、るい」
「どうして?」
「そんな、嬉しそうな顔、されたら‥‥私‥‥」
千鶴は唇を引き結んで眉根を寄せる。
そんなに嬉しそうな顔をされたら怒れない。
怒れないし、どうしてこんな事をしたのか聞く事だって出来ない。
拒む事だって出来ないし、彼の好きにして欲しいと思ってしまう。
思えばいつだって沖田は狡かった。
怖い癖に優しくて、優しいのを知っているから嫌いになれなくて、強いのに弱いから気になって、気付いたらこんなにも
好きにさせていたなんて、狡すぎる。
「狡いのは、君の方でしょ」
沖田は言った。
そんな事を、こんな時に、そんな顔で、訴える彼女の方こそ狡い。
「いっぱいいっぱい酷い事したのに、僕の事嫌ってくれなくて‥‥」
「おきた、さ‥‥ひっ!」
ずる、と肉を刮げ落とすみたいに引き抜かれて千鶴は息を飲む。
摩擦の熱さに一瞬痛いと思ったが、次にやってくるのはむず痒くなるような焦燥感と先ほど味わった快楽。
「こんなに酷い事をしているのに嫌いになってくれなくてっ」
再びずぶりと奥まで突き上げられ、千鶴の背が撓る。
きゅうんと膣は程良く締まり、精を絞り出すように蠕動を繰り返した。
まるで食らい付いてくるかのように肉は沖田のものへと押し寄せてくる。
「ぁっ、あっ、あぁっ」
させまいと引き抜き、押し込み、ぐじゅぐじゅと揺すれば千鶴の声も動きに合わせて弾む。
蕩けて力の無くなった茶色い無垢な瞳が自分を見上げていて、そこには怒りも拒絶もなく、ただただ沖田を慈しむような
優しく、そして甘い色が浮かんでいて、彼はやっぱりと呟いた。
「千鶴ちゃんの方が、狡いよ」
「おき、たっ――んっ」
甘ったるく自分を求めるように呼ぶ唇を塞ぐ。
声と同じく甘いような気がする彼女の口腔を、膣を蹂躙するのと同じくらい乱暴に暴れたけれど、やっぱり千鶴は拒まない。
拙いながらも答えてくるのがいじらしくて、沖田は馬鹿だなと内心で呟いた。
こんな酷い男に応えようとするなんて、馬鹿だ。
愚かだ。
そして、
「好きだよ」
何よりも愛しいと、沖田は思う。
だからこそ、壊したくて、守りたい。
だからこそ、傷付けたくて、愛したい。
嫌って欲しくて、
なにより、
愛して欲しい。
「あは、やっぱり、僕は狡いかも、ね」
「おきたさっ、おきた、さんっ」
深い場所を犯しながら、沖田は薄らと笑った。
「でも、ね‥‥僕はッ‥‥」
声が震える。
繋がった場所が熱くとろけ、二人の境目がどこか分からなくなっていく。
このまま一つになればいいのにと沖田は思う。
このまま一つになれればいいのいと千鶴は思う。
彼女の、彼の、ものになれればもう怖い物なんて何もないのにと。
「おき、た‥‥さっ、わたし、わたし、もうっ」
もう、としがみついて千鶴は限界を訴える。
待ってまだ、と沖田は先延ばしにしたかったけれど、もちそうになかった。
格好悪いけれど、仕方ない。
これは彼女がいけないんだと勝手に決めつけ、沖田はいいよとまるで許すみたいに告げて、彼女の最も深い場所を突き上
げ、熱を放った。
「さぁん!!」
助けてください、と突然飛び込んできた千鶴には目を丸くして彼女を受け止めながら、
「どうしたの? 何があったの?」
と訊ねる。
「ああ、やっぱりの所にいたー」
その後から沖田がひょこっと顔を出したので、またこいつか、とは些か呆れつつ男を睨み付け、
「総司‥‥いい加減、千鶴ちゃんを苛めるのはやめてあげなよ」
彼女はおまえの玩具じゃないんだぞと窘める。
すると彼はひょいと肩を竦めて、心外だなぁと笑った。
「苛めてないよ?」
「嘘吐け。じゃあなんで千鶴ちゃんが助けてくれなんて私の所に来るんだよ」
「それは、が女の子だからじゃない?」
「なんだそりゃ‥‥」
半眼で睨み付ければ総司はにんまりと意地悪く笑い、なんでだろうねぇと意味ありげに呟いて背を向ける。
からかうだけからかって逃げるのか。
全くこの男はいつまで経っても子供だな、とは抱きついてくる千鶴の背を撫でてあやしながら思う。
「あ、そうそう」
と、沖田は部屋を出ながら思い出したように声を上げて足を止めた。
まだ何か言いたい事があるのかと視線を向ければ彼は首だけを振り返って、
「千鶴ちゃん、もし月役が来なくなったら教えてね」
なんて唐突に突拍子もない事を言い出す。
これにはも一瞬面食らい、一体何を言い出すのかと首を捻る。
だが千鶴の方はびくりと大袈裟なくらいに身体を震わせて硬直してしまい、その言葉の意味が分かっているようで‥‥
これは、一体?
が視線を千鶴から沖田へとまた向ける。
彼は、にんまりと、恐ろしいほど爽やかな笑顔で、こう言い放った。
「僕‥‥子供は好きだから」
逃亡不可能
リクエスト『総司と千鶴ちゃんのエロ話』
ちょっと優しさの見える総司のエロ話という事でした、が
やっぱり総司が確信犯になりました☆
いや、いつもの意地悪加減から見れば充分優しい‥‥んじゃ
ないかなと(苦笑)
なんかね、総司が優しいと別人注意報なんですよね(コラ)
また別の時にめっちゃ優しい部分でも書ければいいなぁと、
リベンジに燃えさせていただきます(≧∇≦)b
そんな感じで書かせていただきました♪
リクエストありがとうございました!
2011.9.11 三剣 蛍
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