【原田左之助】

  「ここを‥‥こう通して‥‥」
  「そうそう、次は右手を左に持ってって‥‥」
  「こう?」
  「そう。
  それをくるんと回す」
  「こう‥‥っと?」
  「そうそう。
  で最後にその輪に入れて‥‥」
  「こっか!
  出来た出来た!!」
  「良くできました」
  「結構ネクタイ結ぶのって難しいんだね」
  「まあ、慣れれば簡単なんだけどな」
  「ふぅん‥‥‥‥‥‥‥で、時に原田左之助さん?」
  「なんだ?」
  「どうして私のお尻を撫でてるのかなぁ?」
  「いや、つい膝の上にいるもんでこうむらむらと勝手に」
  「あははー、この右手は左之の大脳と直結してないわけだー」
  「かもしれねえな」
  「じゃあ、そんな右手ちょん切ってしまえ!」
  「っとそいつは困るから左手にも協力してもらうとするか」



【沖田総司】

  「って結構不器用なんだね」
  「そういう事言ってると絞めるよ」
  「あはは、それは勘弁‥‥で、右手、止まってるよ?」
  「っと‥‥この右手を、こっち?」
  「うん、そう。
  で、その端をここに通して」
  「こう‥‥?」
  「そう、で、最後に絞める」
  「こうか!」
  「うん、まあ、そこそこ上手くできたんじゃない?」
  「そこそこ、ね」
  「これで外は歩けないけどね」
  「しかも誉めてないー」
  「まあ、誉める誉めないはこの後次第、かな?」
  「え?‥‥ってちょっと待て総司。なんでタイを緩める!」
  「うん?結ぶ練習してたって事は、またネクタイを締めてくれるつもりだったんでしょ?」
  「そうだけど!何故、今緩める!?
  Why now!?」
  「それは君が僕の膝の上に乗ってるから、かな」
  「意味が分からんわ!!つか人のブラウスのボタンを外すなー!!」
  「大丈夫大丈夫。ちゃんと元通りにしてあげるから」
  「そういう問題じゃ‥‥!!」



【斎藤 一】

  「これを右に通して‥‥」
  「‥‥」
  「こ、こうかな、ああちがう。こっちか」
  「‥‥」
  「こうだ!
  で、これをくるんと回転させて?」
  「‥‥」
  「これを、最後に通して、絞める!」
  「‥‥」
  「よし、できた!!」
  「‥‥」
  「なあ、一。出来たよ!」
  「‥‥」
  「おーい、一?」
  「‥‥」
  「は・じ・めくーん?」
  「‥‥
  「なに?」
  「俺は、試されているのだろうか‥‥」
  「なに?なんの話してんの?」
  「据え膳食わぬは男の恥というが、しかし、だからといって、あんたが良いと言わぬのに俺がそういう事をしては‥‥」
  「一君?」
  「いやいや、勿論俺は嫌だというわけではなく、あんたの気持ちを優先したいと言うわけで‥‥」
  (‥‥ネクタイ、きつく結びすぎた?)



【藤堂平助】

  「んっと? これを右にして‥‥こうだったよな」
  「‥‥‥」
  「おぅ?
  ちがう、左か!」
  「‥‥‥‥‥」
  「左をこっちに‥‥で、こう一回転‥‥」
  「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
  「ん?なーに?」
  「‥‥‥聞いて、いいか?」
  「うん。いいよー」
  「オレのネクタイを結びたいってのはよく分かるんだけど‥‥さ‥‥」
  「‥‥ん?」
  「なんで、オレの膝の上に乗ってんの?」
  「重いとか言ったら絞めちゃうぞー」
  「い、言わねえよ!!」
  「じゃあ、なに?ご不満?
  可愛い彼女が膝の上に乗ってネクタイを巻いてくれるのがご不満?」
  「ふ、不満じゃなくて!!」
  「‥‥じゃあ、なに?」
  「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥その」
  「なに?」
  「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ぇ」
  「は?なに?聞こえない」
  「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥だから‥‥ぇ‥‥」
  「聞こえないってば、はっきり言ってよ」
  「だ、だからっ!
  膝に乗っかられてると、おまえの太股とかが柔らかくて気持ちよくてっ、やばいんだって!」
  「な、なんちゅうことを言い出すんだおまえは!!」
  「おまえが言えって言ったんだろ!!」



【土方歳三】

  「これをこっちに通して‥‥」
  「‥‥」
  「で、これをこう、あ、ちがう!」
  「
  「待って!待ってください!あともうちょっと‥‥」
  「‥‥‥」
  「えと、これを、こうでっ‥‥こうだ!」
  「‥‥もういいか?」
  「はい!大丈夫です。
  あ、待って、ちょっと歪んでる」
  「‥‥‥
  「はい!お待たせしましたっ」
  「ああ、悪いな」
  「割と上手く出来たと思うんですけどどう思います?」
  「上出来じゃねえか?」
  「良かった‥‥って、それはいいんですけど土方さん」
  「ん?」
  「あの、どうして、私の、ブラウスのボタンが全開なんでしょうか?」
  「なんでだろうなぁ?」
  「って、あんたしかいないでしょ!!」
  「ああそうだ。つい暇なんで手が勝手に動いちまったんだよ」
  「なんで、暇で、私のボタンを外すんですか!?」
  「ん?まあ、あれだ‥‥」
  「なに、って、ふ、ぁっ‥‥」
  「真剣なおまえが可愛かったからだ」



  ネクタイをんであげましょう




  オフィスラブ。
  ネクタイを結ぶのでいちゃいちゃしてればいいよ
  って話を書いてみました(≧∇≦)b
  なにげに女の子がネクタイを結んであげるって、
  いいと思うんだ☆