キスの日に因んで

  「キスしませんか?」



  藤堂 Ver

  「っはぁ!? 何言ってんだよ!!」
  「だから、キスしようって言った」
  「きききき、キスって、おまえ、自分で何言ってるか分かって、」
  「えっちするわけでもないのにどうしてそこまで狼狽えるかなぁ?」
  「え、え、えっ……って、おま、」
  「で? してくれるの? してくれないの?」
  「お、おま、おまえっっ」
  「……してくれないなら、もう良い」
  「ちょ、し、しねえなんてそんな事一言も、」

  ――

  「隙有り」
  「お、おおおお、おまっ」
  「少しは落ち着いたらどうかね? 藤堂君」



  沖田 Ver

  「お、お、沖田さん!」
  「どうしたの? 千鶴ちゃん。そんな顔を真っ赤にして」
  「そそ、その、今日は、その5月23日ですっ」
  「うんそうだね。まだ呆けてないから日付は分かってるよ? で、それがどうかしたの?」
  「でで、ですからその今日は、」
  「今日は?」
  「き、き、き、」
  「き?」
  「き、キスの日なんです! だからっ」
  「うん、だから、キスしようか」

  ――

  「…………」
  「なんで君から言いだしたことなのに、そんなに恥ずかしがるのかな?」



  原田 Ver

  「なあ、。今日はキスの日らしいぜ」
  「キスの日? なんじゃそれ」
  「詳しくはしらねえけど、キスの記念日って事じゃねえの?」
  「はぁー。何にでも記念日ってのを作りたがるんだな、人って」
  「そうだなぁ」
  「…………で、原田君。何私の腰に手を回してるのかな?」
  「ん? キスの日なんだろ? だったら俺たちも記念日に肖ってみようかと思ってな」
  「だと思った」
  「予想してたんならなんで拒むんだ?」
  「そりゃ、記念日ともなればあんたのキスが軽いので済むとは思わないからでしょ。言っておくけど、私、まだ仕事が残
  ってんの。だから後に……ちょ、左之っ、」

  ――

  「一応、手加減はしてやったぜ」
  「……て、手加減の意味を一度辞書で調べて来い」



  斎藤 Ver

  「はじめ。今日は、キスの日なんだって」
  「キスの日?」
  「うん。日本で初めてキスシーンが上映されたのが今日なんだとか……」
  「つまり、あんたは口付けて欲しいという事だな」
  「え、いや、ちがっ……っ!」

  ――

  「な、んで。胸にキスっ……」
  「すまない。あんたの唇のように鮮やかな桃色だったので間違えたようだ」
  「ば、馬鹿じゃないの!?」
  「……ああ。唇はこちらの方だったか」



  土方 Ver

  「トシ」
  「なんだ?」

  ――

  「きょ、今日は、キスの日、だから!」
  「…………」
  「だから、その……それだけ! じゃね!! ……ってうぉわ!?」
  「こら、人に仕掛けるだけ仕掛けて逃げんな」
  「や、ちょ、離してよ!」
  「離さねえよ。あんな可愛いことしておいて、キスだけで済むと思ってのか、おまえ」
  「えぇえ!? キスだけで済むって、今日キスの日! えっちの日じゃないですから!!」
  「だったらもっとたっぷりキスした方がいいんじゃねえの? 色んなキスをさ」
  「色んな……ってそんな種類あるの!?」
  「それを今から教えてやるよ」


  KISSしてみた☆