沖田総司はものすごく不機嫌そうな顔で椅子に腰掛けていた。
いつもは怒っていても笑顔で皮肉の一つも言う男なのに、隠しもせず、不機嫌さ全開‥‥である。
豪奢な椅子に腰を下ろし、長い足を組み、頬杖をついてその目の前に正座をして座っている少女を見ていた。
見る、というよりは睨み付けるというのが正しいのだろうか。
少女の顔は強ばり、青ざめ‥‥叱られる子供のようである。
だが、その恰好のせいか、二人の関係は子供を叱る親‥‥というよりは、
僕を叱りつける主のようである。
何故なら少女‥‥千鶴は、普段の制服とは違った‥‥黒い服に身を包んでいたからである。
それは所謂、
メイド服、
というやつだ。
千鶴がそんな恰好をしているのには意味があった。
文化祭の出し物で、彼女のクラスではメイド喫茶をすると決まったのである。
メイド喫茶‥‥となれば勿論、女子はメイド服を着用、が当たり前。
ということで彼女もウェイターを勤めることになり、その恰好をすることになったのだ。
ただ、
メイド服‥‥とはいっても、ヴィクトリアンメイドではなくフレンチメイドの方である。
色は黒でもスカートの裾は膝下ではなく、太股が見え、少しでも前に屈めばパンツが見えてしまうか見えてしまわないかのぎりぎりの危うい長さ。
おまけにレースをあしらった白のブラウスは胸元だけ、ワンピースから取り外しが出来るような形になっていた。
胸が大きな人間であれば胸がどんとその境目に乗るような形になってしまう。
ブラウスの胸元部分は可愛らしいレースがあしらわれているが‥‥見ればそれは透けているタイプのようで、もろ素肌が見えていた。
それを強調させるように黒のリボンが飾るのがまた‥‥いやらしさを増長させる。
正直‥‥文化祭の出し物、というよりはイメクラというのがお似合いの恰好だったのである。
勿論、教師は許可を出すわけもなく文化祭当日に喫茶店は出店中止‥‥とあいなったのだが、どんなものかと試着させられてしまったのが‥‥哀れなことに千鶴だったのである。
そして運悪く、
様子を見に来た沖田に見つかってしまったのだ。
一同がほぅと見惚れる中‥‥沖田だけはこの場にいる男子全員を皆殺しにしてやるというほど殺気でぎらついた目をしていたのを‥‥千鶴は覚えている。
そして問答無用でブレザーで覆われ‥‥連行された先が、
「‥‥視聴覚室‥‥」
あまり人の出入りがない視聴覚室である。
そういえばそこには何故か古びた、味のある椅子があると誰かが言っていた。
まるで昔、西洋の、貴族でも使っていたかのような洒落た作りの椅子。
視聴覚室をよく利用していた教師が、高さが丁度良いから持ってきたとかなんとか言っていたが‥‥その教師はもうとっくのとうに定年退職だ。
そしてその椅子には沖田が座っている。
不機嫌そうな男には‥‥何故か、その椅子がよく似合っている。
危うく、
「マイロード」
などと呼んでしまいそうである。
着ているのはただの制服だし、その中身は悪魔も裸足で逃げるというほどの性悪男だというのに‥‥
オーラ、
なのだろうか。
ただ態度がでかいだけだとここにがいたら言っていた。
「‥‥で?」
暫く黙って睨み付けていた沖田が漸く口を開いた。
突然、で?と言われても千鶴はどうすればいいのか分からない。
「な、なんでしょう?」
首を傾げればご丁寧に頭につけられたホワイトブリムが可愛らしく揺れた。
沖田はち、と舌打ちをしながら顎で千鶴を指す。
「その恰好。」
「‥‥あ‥‥これは‥‥」
「まさか千鶴ちゃんにそんな趣味があったとは思わなかったけど‥‥」
棘のある言い方に千鶴は慌てて首を振った。
「違います!
これは文化祭のっ!!」
「文化祭‥‥?」
沖田はひょいと器用に片方だけ眉を跳ね上げた。
文化祭に彼女がメイド喫茶をやる‥‥とは聞いていなかった。
彼女が内緒と言って教えてくれなかったのだ。
まさかやはりいかがわしいことをするために‥‥?と頭の中で疑問が持ち上がった時、千鶴が先読みをして口を開く。
「本当は、沖田さんには驚いて欲しかったから内緒にしていたんです。」
彼女が想像していたメイド服‥‥というのはもっと可愛らしいもので‥‥
それを着て彼の前に出て驚かせたかったのだと彼女は言った。
くるんと一回りして「どうですか?」なんて言われたらそりゃ「可愛い」と抱きしめてしまった事だろう。
だがしかし、こんな姿を見せられたのでは喜ぶどころか‥‥
「‥‥」
ぎり、と沖田は奥歯を噛みしめる。
彼は怒っていた。
殺してやりたいと思うほどに。
しかし、相手は千鶴ではない。
千鶴のその恰好を見た、あの場にいた男子全員を‥‥だ。
殺してやりたかった。
こんな可愛い‥‥ちょっとえっちな恰好をした千鶴を見て良いのは、自分だけだというのに。
「‥‥あ、あの‥‥」
むすっとしたまま黙り込む彼に、千鶴は恐る恐る声を掛ける。
なに?と声音を少しだけ和らげて訊ねれば彼女はごめんなさいと頭を下げた。
「‥‥その‥‥内緒にしていて‥‥ごめんなさい。」
「あ‥‥」
ごめん、と謝るべきは自分なのに。
彼女に否はないというのに、正座をさせ、睨み付け、そんな趣味があるのかと酷い言葉を浴びせかけたというのに。
僕こそ‥‥ごめん。
沖田はその言葉を口にする代わりに組んでいた足を解くと、立ち上がった。
そうしてすたすたと千鶴の傍に近付くと、片膝をついて彼女に手を差し出す。
レディをダンスに誘う紳士のように。
「‥‥立って?」
「‥‥」
手を取り、立ち上がればふわりとマイクロミニのスカートの裾が揺れる。
白のレースから伸びる白い太股。
これまたマニア受けでも狙うつもりかと黒のオーバーニーのせいで、ゴムの部分が軽く締め付けられ‥‥その間はむっちりと柔らかそうで、美味しそうだ。
そこから視線を剥がして、じっと、どこか幼さの残る茶色の瞳を見つめる。
意地悪く。
だけど、
熱く、
誰より愛しい人を見つめるように。
「‥‥君は僕だけのメイドさん、だよね?」
沖田の瞳には力がある。
その瞳は肉食獣を思わせる凶暴なそれだ。
獲物を睨み付け、恐怖に怯えさせ‥‥絡め取る。
でも今は違う。
凶暴な瞳に、確かに浮かべる甘い愛情と、艶。
途端、女を支配するのは恐怖ではなく‥‥愛しさ。
そして‥‥
「っ」
女の中にある、
欲。
そんな熱っぽい瞳で、神秘的な瞳で、見つめられて、
何とも思わない女なんて‥‥きっといない。
彼は、女をその気にさせる術を知っている。
きっと‥‥それは生まれ持った才能なのだろう。
きゅうんと千鶴は胸の奥が締め付けられ‥‥腹の奥、
子を宿すその場所から、じわりと甘い毒のようなものが広がっていくのが分かった。
ダメ
こんなとこじゃ‥‥
ダメ
元来の彼女ならばそんな気分にはならなかっただろう。
それが、彼の瞳の力か‥‥それとも‥‥この衣装のせいなのか‥‥
逆らうことが出来ない。
何故なら自分はメイドで、
彼は、
自分の、
「僕は、君のご主人様だよ。」
主。
茶色い瞳が切なげに細められた。
しかと、欲を湛えた‥‥少女ではなく、女の瞳。
「‥‥」
それを見てにぃ、と沖田は目元を細めて笑う。
まるで獲物をいたぶる猫のように、嗤って、
「‥‥さあ、ご主人様の命令だよ。」
手を引き、先ほどの椅子に腰を下ろし、
「きゃっ」
ついでに彼女の手を引いて、己の上に座らせる。
ふわりとスカートの裾が広がった。
千鶴は男の膝の上に座って、向かい合う‥‥という少し恥ずかしい状況に顔を染める。
あの、と何か言いたげに唇を開いた。
沖田はそれを笑みで留めて、
「‥‥リボン、解いて。」
そう言い放つ。
胸元を飾る愛らしい黒のリボンを解けと‥‥命令したのだ。
「リボンだけじゃなくて、ボタンも全部だよ。」
「え‥‥でも‥‥」
それは自ら脱げ、という命令だ。
初な少女にそれは無理な注文というものだ。
いつも脱がされる事にだって恥じらいを隠せないと言うのに。
でも、
「‥‥千鶴ちゃん?」
彼は俯いてしまう彼女の顎を捕らえ、真っ直ぐにその瞳を捕らえる。
絶対的な自信に満ちた‥‥その強いそれは、拒絶を許さない‥‥色。
「‥‥は‥‥い‥‥」
消え入りそうな声で千鶴は答えた。
そして震える指でまずはリボンの先を引く。
しゅる、と滑るような音を立てて、それはいとも簡単に膝に落ちた。
胸元のリボンがなくなるとなんとも味気ないものである。
やっぱりつけたままシャツだけを外せば良かったかな、などと思ったが‥‥それはあまりに変態クサイのでやめておこう。
にでもバレたら何を言われるか分かったものではない。
「‥‥」
そんなことを考えている間に千鶴はゆっくりとした手つきで、ボタンを上からぷつりぷつりと外していった。
一つ、
一つと外されるごとに、晒されていく彼女の素肌は羞恥に薄いピンクに染まっていた。
「っ」
三つ目を外した時に、衣服とは違う薄いピンクのレースが見えかくれした。
彼女の小振りな胸を覆う下着である。
「‥‥千鶴ちゃん。」
そこで手を止めてしまった彼女の名を呼ぶ。
呼べばまるで応えるように、千鶴は四つ目を外した。
そして、五つ、
最後。
「‥‥」
全開にされた胸元を隠すのは‥‥可愛らしいピンクのブラジャーだけになった。
「今日の、可愛いね。」
レースのついたそれをちょい、と突いた。
わざと胸の先を爪の先で掻かれて千鶴は「ん」と小さな声を漏らしてしまう。
それだけで感じてしまった事が恥ずかしくて、千鶴は唇を噛み、目元を眇めた。
もっと‥‥
恥ずかしい思いをさせたくなる。
沖田はくすくすと笑いながら胸の先端を引っ掻いたそれを滑らせ、開いた服の隙間から手を差し込んだ。
「あっ」
「知ってる?
これ取り外しが出来るんだよ?」
指先が固いボタンにたどり着いた。
器用にぷつんと外しながら反対側にも手を差し込んでプツンとボタンを外す。
いくつかついていた内側のボタンを全て取り外すと、
「あ」
ひらりと、胸元を隠していたブラウスの布地だけが綺麗に取り外されてしまった。
そんな作りになっていたとは全く持って知らない千鶴は驚きに目を見開いていると、
「まあ、こういうことをする為の服だからね。」
更に差し込んだ手で背中のブラのホックをぷつん、と外してしまった。
「え、あっ!?」
ついでに戻り際に取り外しの出来るストラップをひょいひょいと外してカップ部分を引っ張れば‥‥
「っ!!」
胸元を隠すものは本当に‥‥何もない。
ただ胸だけが露出している状況で、黒い布地を引っ張ってこようにも短くて届かない。
千鶴は慌てて胸元を隠そうとしたが、
「だーめ。」
「ひゃんっ!」
両手を掴まれ、その露わになった胸元に顔を寄せられてしまった。
沖田は白い膨らみの間に顔を埋める。
形はとても綺麗だが‥‥残念ながら敬愛する姉ほど大きくはないので文字通り挟むと言うことは出来ない。
ただ、沖田に抱かれるようになってからちょっとだけ‥‥ちょっとだけ大きくなったような気はするけれど‥‥それでもまだまだ標準並だ。
「‥‥ん、いいにおい。」
すん、と谷間に鼻面をあてて上下にすりつける。
頬に微かに触れる柔らかさが彼女の胸の大きさというやつを知らしめるが、彼にとっては胸は大きさではない。
相手が千鶴であれば‥‥いいのだ。
「沖田‥‥さん‥‥」
すんすんとにおいを嗅いでいたかと思うと、突然身体を離し、
「きゃあっ!?」
おもむろのその両手で乳房を掴んで引っ張った。
引っ張った、というよりは、服の下に潜り込んでしまっていた胸を服の上に乗せた‥‥というのが正しい。
丸く、胸の形に切り取られた布地は胸を出すためにある‥‥といっても過言ではない。
丸みを帯びて柔らかそうなそれは、黒で強調されて少し大きく見える。
勿論千鶴にとっては恥ずかしい以外のなにものでもないが、恥ずかしがるよりも前に彼に弄ばれた。
「はぁっ‥‥」
右の大きな手で、左の乳房を下から持ち上げられゆったりと揺らされる。
そうしながらもう片方の勃ち上がった乳首を人差し指で押しつぶされると千鶴は喉を晒して喘ぐしかなかった。
「お、きたっ‥‥さっ‥‥‥」
「従順なメイドさんにはちゃんとご褒美あげるからね。」
「んっ‥‥」
その言葉通り、沖田は千鶴の感じる場所を焦らしもせずに攻めた。
左の胸の膨らみを擽りながら乳輪を撫で、
右の乳首を引っ張ったり、摘んだりして、快楽を与える。
小さな胸の人間は感じやすい‥‥と言う。
千鶴もその一人で、胸がひどく感じるのだ。
触れるか触れないかの微妙なタッチで擽られるともう何も考えられないくらいに気持ちがいい。
「ぁはっ‥‥ん‥‥」
喉を晒した瞬間、そのまま後ろに倒れ込みそうになる。
すぐさま沖田は手を伸ばして、その腰を引き寄せると、力の入らない両手を自分の首に巻き付かせた。
そうすると先ほどよりも彼との距離が縮み、中腰になれば千鶴の胸は沖田の顔に押し当てられるという形になる。
それに気付いて、沖田は妖しげに問いかけた。
「‥‥指で弄って欲しい?」
それとも、
彼はぺろり、と赤い舌で自分の唇を舐めて見せた。
ぞくりと背筋が震えるほど妖艶なその様に、千鶴はまるで誘われるかのように頷いていた。
「‥‥舐めて欲しいんだね?」
「‥‥っ」
恥ずかしくてはいとは言えなかった。
ただこくっと頷いて、もうそれ以上何も言わないでというみたいに、彼の顔に胸を押し当てる。
ふにゃりと柔らかなそれが丁度彼の頬に触れた。
ぴんと左右の乳首が感じて勃っている。
早く舐めてと言われてるみたいで‥‥彼は嬉しそうに笑い、それでは、と口を開いた。
「まず、右、ね。」
ちぅ、とわざと音を立てて口に含む。
その熱にびくりとした瞬間を逃さず、下から掬い上げるように勃ちあがった果実を舐った。
「ぁあっ‥‥」
じんっと腰に甘い痺れが広がっていく。
にやりと沖田は笑いながらもう片方の乳首をくりくりとこね回した。
「ん、んんっ‥‥」
唇を窄ませて赤ん坊が母乳を吸い出すように吸いながら、舌で何度も何度も押しつぶされ、気持ちよさのあまりとうとう彼女の恥ずかしい場所から甘い蜜となって滲み出した。
「は、ぅっ‥‥んっ‥‥」
もぞ、と内腿を摺り合わせている。
「おき‥‥た‥‥さぁ‥‥」
「うん、こっちもね。」
ちゅ、とキスをして胸に赤い痕を残してから沖田は唇を離した。
そうして指で捏ねていた方を口に含めば、唾液で濡れた方の先端を親指と人差し指で摘んで刺激を与え続けた。
「あ、やっ、やぁっ‥‥」
時折強くじゅっと乳首を吸って、歯を立てると千鶴は泣き声じみた声を上げていやいやと首を振る。
もじもじと腿を摺り合わせる行動は更に強くなり、更には沖田に太股を擦りつけてくるようになった。
「なぁに?それは‥‥お強請り?」
乳首を食んだまま、沖田は上目遣いに見遣る。
そうすると完全にとろんと蕩けてしまった目が自分を見下ろしていた。
うっすらと開いた唇から見えかくれする赤い舌が、ひどくいやらしくて‥‥たまらない。
「‥‥僕も、だよ。」
沖田は嗤った。
そうして千鶴の胸から手を離すと自分のベルトを外し、ファスナーを下ろした。
僅かに制服のズボンと下着とを下ろして性器を取り出すと、ふわふわとした彼女のスカートをかき分けて、彼女の秘所を探り当てた。
「ぁっ」
探り当てられたところは、想像通りに濡れていた。
沖田は人差し指と中指でぐにぐにと乱暴に出し入れを繰り返し、内部が解していく。
そして十分に蕩けきったところで、
「‥‥やっぱりパンツは脱がないと嫌だよね。」
と優しく言う。
まあ確かに、このまま挿入されると下着はもうダメになってしまう。
いや、今でも十分濡れてしまって駄目な気がするけれど‥‥
「‥‥千鶴ちゃん、肘掛けに捕まってね。」
「‥‥は、はい。」
突然何を言われるのかと思ったが、言われるままに肘掛けに捕まると沖田は彼女の細い両足首を掴んで引き上げた。
「きゃっ!?」
そのまま随分と上まで持ち上げられ、千鶴は慌ててしがみつくように肘掛けを掴む。
彼の膝の上に半ば背中を預けている状態だが‥‥ふと見ればふわりとボリュームのあるスカートの向こうに彼の顔が見えた。
だが、彼と目が合った瞬間、ぎくりと嫌な予感がした。
彼は、足首を掴んだまま、言った。
「‥‥ショーツ、脱いで?」
今の状況では‥‥スカートの中は丸見えである。
ふわりと揺れるスカートの中に今まで隠れていた、太股も‥‥それから‥‥彼女の恥部も。
男の眼下に晒されているブラとおそろいのショーツは、もう色が変わるほどに濡れていた。
それだけじゃ足りないというかのように、柔らかい太股まで濡れている。
叶うならば今すぐ口を寄せたいと思った。
それよりも、
もっと、
彼女の恥ずかしい所が見たいと思う自分は‥‥
本当に変態かも知れない。
こんな状況で、
「‥‥脱いで、見せて。」
ショーツを脱いで見せろと言うのだから。
「っ」
千鶴はこれには真っ赤になった。
今まで色々な事をされたし、させられたけど‥‥これは今までで酷い部類に入るのではないだろうか。
今、自分のそこがどんな状態になっているのか、よく分かってる。
濡れて‥‥きっと、物欲しそうに震えているに決まってる。
そんなのを‥‥自分から見せることになるなんて‥‥
「や‥‥そんなのっ‥‥」
「千鶴ちゃん。」
踵を少しだけ強めに撫でられた。
びくりと身体が震える。
そんな所にも性感帯があるのかと千鶴は驚いた。
そしてその瞬間、じわりとまた、自分の局部が濡れたのにも。
「っうー‥‥」
恥ずかしい。
そんなの絶対に恥ずかしいから嫌だ。
でも、
でも、
それよりも、
身体の奥からわき上がる疼きを、渇きを、
どうにかしたい。
彼に‥‥
抱いて貰いたい。
千鶴は半泣き状態で唇を噛むと、恐る恐ると言う風に手を伸ばした。
彼女がずり落ちないように注意をしながら、沖田は白い指先がブルーの下着の紐にたどり着くのを見ていた。
一瞬、躊躇う。
「千鶴ちゃん。」
早く、と熱っぽい声に促され、千鶴は漸くその手を卸し始めた。
する、する、と焦れったいくらいの早さで。
ゆっくりと下げられるたび、千鶴の恥ずかしい場所が見えてくる。
膝を立てられた状態ではまず、見えるのが彼女の柔らかいお尻だ。
目を細めて柔らかそうな丘を見つめる。
そしてその奥にある、未だ触れたことのない彼女の後ろの入り口を見つけて、こくりと喉を鳴らした。
窄まった入り口からは分からないが‥‥きっとその中も膣同様にひどく暖かくて柔らかいのだろう。
「‥‥」
更に布は引き上げられる。
痛いほどの視線を感じた。
見られることに興奮するのか‥‥身体の奥からじわっとまた蜜が溢れる。
それが緩やかに溢れ‥‥やがて襞を伝って尻の方へと伝い落ちていく。
「あっ」
それに気付いて慌てて千鶴はショーツを引き上げようとしたが、沖田が許さない。
「ダメだよ。」
言葉だけで制止を掛け‥‥そのかわりに足首を掴む手に力を入れる。
そうしてやわやわと刺激を送られると気持ちが良くて堪らない。
「‥‥沖田‥‥さっ‥‥」
伝い落ちた蜜は尻の穴まで到達した。
違和感に身体を萎縮させるとくちゅりと濡れた音がして、千鶴は恥ずかしさのあまりに死にたくなった。
それでも‥‥止められない。
止めたくない。
彼に、
愛されたいから。
「‥‥」
再び手を動かしてショーツを漸く太股まで脱ぐことが出来た。
彼の目下に濡れそぼつ自分の恥ずかしい場所が惜しげもなく晒されていることだろう。
しかも見られることに興奮して濡らし‥‥ひくひくと物欲しげに震えていることさえ。
「‥‥もういいよ。」
沖田は言うと、ぐいっと紐を引っ張って片脚から抜く。
もう片方を残して太股にまとわりつかせると濡れたショーツを見せつけるようにして、
「っ!?」
舐めた。
蜜を、舐めた。
つまり、彼女のショーツを。
躊躇うことなく布地を口に含んで‥‥独特の甘さのあるそれを嚥下する。
「‥‥美味しいよ。」
「も、もうやだぁっ‥‥」
千鶴は今度こそ顔を覆って泣きそうになる。
いくら好きだからって‥‥自分のショーツを舐めるなんて‥‥
ブラジャーならまだしも‥‥
「ほら、泣かないの。」
沖田はあまりの恥ずかしさに涙を零す千鶴をあやすように撫で、その背中に手を差し込んでゆっくりと引き起こした。
引き起こす際に開いていた彼女の細い足を肘掛けを利用して開かせる。
そうして腰をがっしりとした手で掴まれたかと思うと、
「今、ご褒美をあげるから。」
男は艶然とした笑みを浮かべ、
「ぁああ――」
高ぶりを、愛する少女の最奥まで突き立てた。
「っ」
その瞬間の締め付け具合といったらどうだろう‥‥
まるでひきちぎらんばかりの強さで、沖田はくぅと小さく呻いた。
危うく挿入と同時に射精をしてしまいそうだったが、それを堪えると彼とは逆に千鶴は呆気なく達してしまった。
ぴくりぴくりとか細く身体を震わせ、目を見開いている。
その一瞬だけ呼吸が止まり、やがてその余韻と共に表情はふにゃりと緩み、身体は男に預けるようにもたれ掛かってくる。
そんな彼女を見て、沖田はほくそ笑んだ。
「悪いメイドだなぁ‥‥ご主人様よりも先に、いっちゃうなんて。」
揶揄するような言葉に千鶴は羞恥に顔を染めた。
反論は出来なかった。
それよりも前に最奥に押し込んだままごり、と腰を揺らして子宮の入り口を抉られたから。
千鶴は目を見開いてすぐに細め、ぼろりと生理的な涙を零した。
「や、やだぁ‥‥」
達したばかりの敏感な身体は強い快楽に苦痛を訴えている。
いや、苦痛ではない。
耐え難い、疼き。
「嫌、じゃないでしょ?」
気持ちいい癖に、とだらしなく開いた唇を塞ぐ。
舌を深く絡め、唾液を飲み込みながら、ぐちゅっぐちゅと下から突き上げ始める。
千鶴が倒れてしまわないように背に手を回し、その手で乳房を遠慮なく揉むとまたきゅうと彼女の膣が締まった。
「ひ、ンむぅっ!!」
強すぎる快楽から逃れるように身を捩る。
しかし、片手で男には腰を捕らえられておりそれは出来ず、そうすれば更に強く内部を抉るように挿入を繰り返された。
「あぁっ、や、だめっ‥‥らめぇっ‥‥」
「だめ、なに、が?」
ずちゅずちゅ、と濡れた音が響く度に柔らかなレースが揺れた。
「くぅ、ンっ」
とまるで何かを堪えるように啼いた千鶴に沖田は更に感じる場所に亀頭を押しつけながら「なにが?」と訊ねた。
「なにが、だめ?」
は、と熱い吐息が男の口からこぼれ落ちる。
いつもの余裕のない顔には、言いしれぬ男の色香が漂っている。
だめ。
千鶴は瞳を眇めて、だめともう一度言った。
そんな目で、
そんな声で、
そんな熱で、
激しさで、
愛情で、
自分を抱かないで、
「おかしく‥‥なっちゃうっ‥‥」
自分が、
自分でいられなくなってしまう。
だから、
だから、
「――」
そう言って切なげに涙を落とした千鶴の表情を見て、男は一瞬息を止めた。
そして次の瞬間、
堪えようのない衝動が身体をつきぬけて、
「――アアアアアア――」
彼女を抱き潰すくらいに強く抱きながら、最奥を思い切り叩きつけるように貫いて‥‥果てた。
ぴくん。
ぴくん。
と絶頂の余韻にか細い脚が震えていた。
暴れすぎたせいだろうか、片方の靴が脱げて床に転がっている。
濃密な空気が世界を支配している。
互いの熱く激しい呼吸が重なった。
「‥‥千鶴‥‥ちゃん‥‥」
名前を呼んで沖田は涙の跡を拭うように唇を這わせた。
沖田さん、と返事を返す前に唇を塞がれて、啄むようなキスを送られる。
まだ快楽の余韻の残る滲む視界に、男の瞳が映り込んだ。
彼は少し、自嘲じみた笑みを浮かべていた、
そして、
こういった。
「僕はもう‥‥なってる。」
僕はもう、とっくに、なっている。
あどけない、
だけど、女としての色香を滲ませるその瞳をしっかりと刻みつけて、
「僕はもう‥‥おかしくなってるよ。」
君に狂っているのは、
僕の方だと彼は思った――
どちらがご主人様?
総司君は変態エロスだと思いました。
メイドネタを思いついた三剣はもっと
変態だと思いました!!すんませんっ
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