漏れる吐息が、熱く、濡れる。
ゆったりと瞳を開ければ快楽によってひとりでに浮かんだ涙で世界が一瞬ぼやけ、瞬きによってクリアになった視界を下ろせば、サンタの格好をした彼女が脚の間にいるのが見えた。
一心不乱にそれに励む彼女が愛おしくて‥‥手を伸ばして頭を撫でた。
びくりと小さく震えた途端、ざらついた舌が弱い部分を擽る。
今度は詰まった声が漏れた。
「いい、ね。これ。」
ゆったりと小さな頭を撫でながら沖田は恍惚とした表情で呟いた。
なにがですか?と視線だけを上げれば自然上目になって、愛らしいその表情だというのに、している行為のいやらしさのギャップで脊髄から震えが走った。
「可愛くて、えっちなサンタさんに‥‥ご奉仕されるのって‥‥良いよね。」
揶揄するような言葉に、千鶴は、その小さな唇いっぱいに含んだ男の性器を、きつく扱き上げたのだった。
「クリスマスには君が欲しい。」
というべたべたな、だけどストレートな言葉を彼は告げた。
クリスマスプレゼントに何が欲しいかと聞かれたから。
正直、それ以外に欲しい物なんて何もなかった。
そんな自分の想いが伝わったのだろうか?
サンタのコスプレも嫌がらずに、恥ずかしがったけれど、着てくれたし。
引き寄せて口づけて「抱きたい」と言えばやっぱり照れたようにではあるが、了承してくれた。
でもまさか、積極的に口淫なんぞをしてもらえるとは思わなくて‥‥ベルトを外して、足下に跪かれたとき、さすがの沖田も驚いたものだった。
普段は‥‥恥ずかしがって躊躇うくせに。
ちゅむと濡れた音を立てて、先走りごと唾液を吸い上げる千鶴に、沖田は「う」と呻くような声を上げた。
引き締まった男の下腹がびくりと引きつる。
気持ちが良いのだと、経験で、分かった。だから、更にそうして彼の快楽を煽れば、困ったような声が降ってきた。
「千鶴ちゃん‥‥なんだか、随分と上手くなったね。」
その言葉に千鶴はかっと頬を染める。
男の性器を口で扱くのが上手くなった‥‥と誉められても嬉しくない。まるで自分が淫らになってしまったみたいじゃないか。
癖のない柔らかな髪を何度も撫でながら、時折、彼女の耳にも指を伸ばす。
ゆるりと耳の裏を撫で上げれば「ん」と鼻から甘い声が抜けた。
羞恥と快楽に揺れる瞳が僅かに向けられる。
強請られているみたいで、堪らない。
「ね‥‥そんなの、誰に、教えて貰ったの?」
意地の悪い質問に、千鶴は性器から口を離した。
止めてしまうのかと残念に思っていると、小さな舌でべろりと、根本から先端までを舐め上げられた。
清楚な彼女からは想像できないほど、淫らな様子に息を飲む。
「そんなの‥‥沖田さん、に、決まってるじゃないですか。」
そのまま小さな手で棹を支えながらちろちろと先端を舌で愛撫する。
流石に恥ずかしくて視線を合わせる事は出来ないらしい。
困ったなぁ、と沖田は小さく呟いた。
可愛くて堪らない。
折角彼女が進んで気持ちよくしてくれてるのに‥‥我慢が出来そうになかった。
「っきゃっ」
もう一度口の中に咥えようとした時、ぐいと伸びてきた手に押し倒される。
柔らかなカーペットに身体が沈み、沖田は小さな身体の上にのし掛かった。
「や‥‥っ‥‥」
ボタンもブラも外されて露わになった胸の間に、男の性器が押しつけられる。
ぺたりと汗ばんだ肌に、自分の唾液と精液で濡れた雄が触れ、肌が泡立つ。
ツンと鼻につく精の香りが‥‥好きな男のものだと思うと良い香りに感じるのだから不思議である。
「うーん、もうちょっとかな。」
沖田は呟きながら小さな膨らみに手を伸ばし、左右から押し寄せてみた。
が、
「胸で挟んで貰うにはもうちょっと、足りないかな?」
柔らかいそれを寄せてみても、残念ながら谷間は出来ない。
つまりは胸でそれを挟んで貰うというのは夢の又夢、ということだ。
「ひ、ひどいっ」
当人が一番気にしている事を言われ、千鶴はかぁっと顔を羞恥と怒りで染める。
「気にして‥‥るのにっ」
「ごめんごめん。」
抗議の声に悪びれなく謝りながら、ゆったりと乳房を揉む。
「それでも、少しは大きくなった方じゃない?」
初めて抱いた時よりも、張りが出てきたような気がするけど‥‥と掌に返ってくる弾力を楽しむようにこね回しながら、沖田は腰を上げる。
性器を押しつけられていた胸の間が、ぬらと、光った。
「ぁ、ああっ!!」
膝裏を抱えて、ずぶりと熱く熟れた膣内を一気に貫く。
相変わらず狭いそこを押し広げてあっという間に最奥まで到達すると、きつい締め付けに彼女の呼気が整うのも待てずに腰を揺すりはじめた。
「お、きた、さっ、ま、まってっ、あ、ああっ」
待ってと手を伸ばすとそれをがしりと掴まれ、そのまま片手で両手を絡め取られ、縫い止められ、距離をぐんと近づけると、更に奥を責め立てる。
「やぁっ!」
苦しいくらいの律動に、千鶴は真っ白い喉を晒して大きく喘いだ。
同調するように中がきゅっと締まり、沖田の唇から溜息がこぼれ落ちる。
「千鶴、ちゃん‥‥そんなに、きつくしたら‥‥知らないよ?」
ぐ、ぐと奥を犯しながら彼は意地悪く問う。
キツイ締め付けに今すぐにも達してしまいそうだった。
そうでなくとも散々口で愛撫されて限界だったのだから。
「中、で、出しちゃっても‥‥いいの?」
出しちゃっても良いの?なんて、いつも遠慮無く中で出している癖によく言う‥‥と沖田は自分を嗤った。
だが、今はあえて口にして彼女の反応が見たかったのだ。
「だ‥‥だ、めっ」
案の定、千鶴は顔を真っ赤にして頭を振る。
学生という身分だからか、彼女は妊娠というのを恐れていた。
それでも沖田は構わず‥‥とはいっても彼女が妊娠しない安全な日を狙ってであるが‥‥胎内で射精した。
好き勝手をしていると思われがちだが、大事な恋人を困らせるような事をしない主義である。一応は。
そして今日は安全日。
胎内で射精しても、彼女が妊娠する可能性は低い。
「でも、そんなに締め付けられたら‥‥出ちゃう、よ?」
掠れた男の色っぽい声に、ぞくりと背筋が震えた。
その時彼女の意に反して膣が締まった。
沖田は一瞬「う」と小さく呻いて、困ったような顔で彼女を見下ろす。動きは止めない。
「やっぱり‥‥中で出して欲しいんだ?」
「ち、ちがっ」
「千鶴ちゃんってばやらしいなー」
「ち‥‥が、ぁあっ!!?」
「リクエストには応えないとね。」
悪戯っぽい一言と共に、ぐじゅ、と一層濡れた音をさせて、一度ぎりぎりまで引き抜かれる。
それをまるで引き留めるように膣が締まった。
あ、まずい。
求められているという事に感情的な興奮が高まり、危うく射精をしてしまいそうになる。
引き抜いて、雁首だけで繋がる状態で、沖田は目を瞑って呼吸を整えるように一度息を大きく吐いた。
何かを堪えるように眉根を寄せる男の、壮絶な色っぽさに、千鶴は目を奪われ、釘付けになる。
この男に抱かれているのだと思うと。
その男にそんな顔をさせているのは自分なのだと思うと。
ひどく、
興奮する。
千鶴は思った。
壊して欲しいと――
そんな彼女に気付いて、沖田はそうっと口角を引き上げた。
翡翠色の瞳を眇めて、彼は笑った。
ぞわりと。
身体の全てが震えた。
恐怖と、歓喜に。
「いつも頑張ってくれてるサンタさんに、僕からのプレゼントです。」
彼はおどけたように言った。
そうして、ひくと下腹を引き締めると、今までのはなんだったのかという激しい律動を再開し、千鶴は「う、あ」と意味の分からない悲鳴みたいな声を漏らすしか無かった。
「今日は、朝までたっぷりシテあげるから。」
吐息の合間に囁かれた言葉に、千鶴は、それは勘弁してくださいと心の中で叫ぶのだった。
サンタへご褒美
サンタにご褒美っていうよりは、自分に?
サンタコスした千鶴ちゃん‥‥すごく可愛い
だろうなと思ったら出来上がったエロ作品。
2010.12.24 蛍
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